〜彩〜

◇Iam Chameleon Girl◇
   


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| 2014.09.20 Saturday | - | - |


林檎とあたしと憂鬱と

 

山本美次氏の個展へと銀座へ。30年間、林檎(それもスターキングのみ)ばかり描き続けているという彼。死んだような生きたようなどこまでも深い青を背景に、林檎がまるで意思を持っているかのようにキャンバスの中でごろごろと転がっている。「天」というタイトルでは愉快そうに、「星」というタイトルでは静謐に。「風」というタイトルではたゆたうようにやわらかに……。「林檎にとりつかれてしまったんだ」困ったような表情で微笑む山本氏に、帰り際、林檎を一ついただいた。そんなこんなで林檎片手に、普段縁のない銀座をぶらぶら。そして​ちょっと遅いランチをしに大好きなカレー屋、ダバ・インディアへ​★ そこで、彼に撮られた写真が、さっき見た絵の​ようで笑う。この私の不機嫌な顔は素(笑)。タイトルは「林檎と​あたし」と命名。彼の作品だけどね。

山本美次作品展 テーマ「風」 11月24日(11:00〜20:00)まで​銀座のPOLAビル4Fで開催されています。
| 2011.11.15 Tuesday | 感。 | comments(0) |


線香花火とレモンスカッシュ

広島へ行く際、お世話になる人にお土産をと思い、
駅で船橋屋の葛餅と、江戸っぽい雰囲気の
「線香花火」のイラストが描かれた便箋を買った。
広島から東京へ戻って数日後、その人から手紙が届いた。
手紙のイラストは、見覚えのある「線香花火」。
はちきれんばかりの封筒を開封すると、便箋が10枚も入っている。
読めば、私への手紙で便箋をすべて使ってしまったとのこと。
笑いが止まらなかったし、この人には適わないと思った。
ひとしきり笑ったあと、急に苦しくなって涙がこみあげてきた。
その日は久しぶりに駅の下のBARに行って
、一杯だけお酒を飲もうと思っていたけど、
気持ちを沈めるにはアイスコーヒーだと思い、喫茶店に変更。
ところが喫茶店に入ってカウンターの席につくと
隣の人も、そのまた隣の人もアイスコーヒーを飲んでいる。
同じものを頼むのはなんだか癪で「レモンスカッシュ」を注文した。
甘くて酸っぱい懐かしい味。薄く黄色みがかった透明の液体が、
ピシッピシッと、ほんのわずかに喉を刺激しながら胃の中に落ちていく。
そして、ゆわりゆわりと漂うグラスの中の気泡と
壁にかかった柱時計を交互に見つめながら、
電話をかけるタイミングを見計らう。
きっとまだ仕事中だから、23時45分くらいだったら大丈夫だろうか。
いつもみたく、また長電話になるだろう。
帰る際は母を起こさないよう、気を付けて玄関のドアを開けなくてはならない。
そんなことを考えながら、「レモンスカッシュ」をもう一杯注文。
時計の針は23時30分を指している。

| 2011.05.08 Sunday | 感。 | comments(2) |


the answer is all ''YES''
夕焼けのやさしい光と、平たく伸びた薄っぺらな雲。
黄と橙と藍のグラデーション。
絶妙な色合いと光の温かさを、背中で存分に受け止めながら家路を行く。

『家路』とは、どうしてこうも安らかな気持ちになれるのだろう。
阿佐ヶ谷の中杉通りは、夕方になると、東京のどこよりも酸素が濃くなる。
体のすみずみまでゆきわたるよう酸素をいっぱい吸い込んだら、
褪せた水色の歩道橋をゆっくりと上がり、夕日色に染まった通りを見下ろす。

ざわめく木々。
すましたネコ。
スーパーの袋を自転車のかごに詰め、せっせと漕いでいく主婦。

気が付くと、肌にあたる空気の質感がすっかり秋のもので。
暫く経てば、またザクロがエッチな感じに弾け出すことだろう。などと考える。

自然、趣味、食・・・
秋は本当にたくさんのものを所有している。
ふと、心細くなるような、センチメンタルな物足りなささえ。

すべてのものが美しい。
すべてのものが愛おしい。
すべての物事にたいして頷きたくなる。

酔っぱらって、つい自己を見失いたくなるようなー…
そーんな妖しい季節でもあるかなー。
| 2009.09.25 Friday | 感。 | comments(0) |


繋いだ輪っか
 人、一人分ごと受け入れるのって、なんだか自分がとても広くなったような感じ。
ある意味キャパが広がったような。それも無理なくごくごく自然に、私一人分。
受け入れるというのは、結局そういうことなのかな。


そんなことを感じた。


すっぽり納まってくれてありがとう。

一人分、私のものだ。

たくさんたくさん受け入れたい。


あなたも。そしてあなたも。それからあなたも。
これからもずっとずっと。

わたしは私の中が広くなりたい。

ゆったりした心持ちで。


私の中の輪郭は輝きを増す。
| 2009.05.06 Wednesday | 感。 | comments(0) |


おんなおんなしい感じに憧れて
ネイルを落とし、短く切りそろえた爪先をみつめる。

その子どもじみた指先は、私のありままのような気がして。

ママのカポカポのハイヒールを履いて、顔中に真っ赤な口紅を塗りたくって、
箪笥の奥から引っ張り出してきた長いスカートを、
ずるずる引きずりながらお姫様ごっこをしていたあの頃。

私は一人っ子で、鏡の中の自分とお話するのが大得意だった。
たぶん、それは今でも変わっていない。

あの頃の私の心の状態と、今の私の心の状態は何も変わっていないはずなのに、
ずいぶんと遠くまで来たような気がする。

爪を伸ばすという行為そのものが、まるで背伸びしているかのようで。

それでも、少し自分の唇に馴染むようになった、薄いピンク色の口紅は、
今の私にとって、せめてもの武器。

「女って化粧とかお洒落とかたいへ〜ん。」
そんなふうにきっと、いかにもな台詞を私は口にしたいだけなのだ。
| 2009.02.09 Monday | 感。 | comments(0) |


オトコノヒト
オトコノヒトってやっぱ未知。

電話で、パパとオトコの友達と話した。

安心。安心。ド安心。

「元気だよ!」と話したけど、
ほんとのほんとは最近ずぅーっと淋しかったんだ。

近頃、女友達との「きゃっきゃ話」は、言葉が私を素通りしてて虚しかったんだ。

こういう時、男の人じゃなきゃ駄目なの!!

そんな「どうしても」な時、自分が女なんだってことを再認識する。

男と女ってなんだろう。んーーー。

とにかく今日は、あったまった。

あちゃー。でもこれって考えてみたら淋しい女なワケ?わたしってば!笑
| 2009.02.08 Sunday | 感。 | comments(2) |


黄金色
早いもので、冬にこちらに来てから、
3つもの季節が私を追い越していきました。
秋と共に今、私自身も深みに嵌りつつあります。
生きていることを愉しむ余裕がでてきたというか。
なーんて、大袈裟けど、その他に言葉が見つからない。笑 

一時期、深呼吸することすら忘れかけていたけど、
季節を、会話を、食事を、そして歩むことを、
ひとつ、またひとつと呼吸をするのと同じように、
大事に確かめるようにして愉しめていると思う。
横隔膜が幸福で満たされ、たっぷりと膨らんでいるような。


秋風と共にゆたゆたと体をゆたわせながら、届きそうにもない青空に手をかざしてみる
指の隙間から落ちてきた、サッパリと乾いた黄金の光
見渡せば、ついこの間まで青々としていた草木たちも、黄金色である。
眩しさに目を細めても、光はまぶたの裏側まで到達し赤く照らして温める


そう、秋は黄金。


せわしなく動き回り、なにもかもをあたふたと受け止めても、
状況を上手くつかめないことは本当に多い。
そんな時間の流れを少しユルめる力が秋にはあるようだ。
そしてそれは贅沢そのもの。

今、私は読書でも、食欲でも、スポーツでもなく、
『私自身の秋』を、呼吸と共に愉しめていると思う。
| 2008.10.17 Friday | 感。 | comments(2) |


休みの日のこと
白いカーテンの隙間から差しこむ光はやわらかに肌を滑り、
乾いた秋風はたおやかに移動し、窓の外の草花を揺らす。

早朝。新しく、清らかで、いくつもの聖なる一瞬が、連なってできるひと時。

わたしは、朝の澄んだ空気を、リセットされたばかりの空っぽの体いっぱいに吸いこみ、手や足の先、細胞のすみずみまでに行き渡らせる。

空はすっかり白んでいて、
その空にほぼ溶け込んでしまった、夜の名残とも言うべき薄っぺらい月は、どこか心許ない表情を浮かべながら再び訪れる夜を待つ。

『休みの日』というのはのどかだ。
平日の時間の流れよりも、少しゆっくりめに時を刻んでいるような気がする。
それに甘んじてその『流れ』にうっかり身を任せてしまうと、一瞬にしてその日が終了してしまっていたりするのも事実なんだけど。

いつも食べている朝ごはんを、いつもよりちょっぴり時間をかけて味わいながら、窓の外の景色が、先週の休みの日より少しずつ変化しているのを確かめる。

朝〜夜、そしてまた来る朝のような一日の変化、
当たり前のように移り変わってく季節の変化。

たとえ大自然を目の当たりにせずとも、
その何気ない小さな変化をひとつひとつ辿っていけば、
やがてそこには誰にも動かすことの出来ない、地球規模の神秘にぶちあたる。

その自然の猛威の前で、人間達のとる行動なんて、その大きな流れの付属品でしかない。
| 2008.09.17 Wednesday | 感。 | comments(0) |


5月の東京
紅茶の中に映った自分の瞳がカップの底に沈んだのを見届けたなら、
柔らかな風に体をしならせた、悦びに咲くあの一輪の赤い薔薇の花を摘みに行こう・・・。


御茶ノ水駅から職場までの道のりの脇では、生命力をみなぎらせた新緑達が、声を高らかにして悦びの唄を唄っている。

『5月の東京は美しい』

酒を飲むとタダの変態オヤジになる上司が、その風貌にそぐわぬロマンチックな台詞を吐いていた。

しかしその道を上を見上げながら歩いていくと、本当に足が軽やかになるのである。

『5月の東京は美しい』

私は今、『5月の東京』を全身で味わっている。
| 2008.05.18 Sunday | 感。 | comments(4) |


ハーブティーをを啜る日曜の午後
暗雲を突き刺す一筋の光

その途端に波紋を広げる青々とした空

嵐続きの東京に、ようやく神が微笑みかける

ただそれだけで沸き起こる感謝と喜びは、いったいどこへ流れてゆくというのだろう

安堵と複雑と混沌は未だ波を打ち、穏やかと言うには程遠いけれど

今日のこのささやかな日にありがとう、そしておめでとう

私は2日後23歳になる。
| 2008.04.20 Sunday | 感。 | comments(0) |