白いカーテンの隙間から差しこむ光はやわらかに肌を滑り、
乾いた秋風はたおやかに移動し、窓の外の草花を揺らす。
早朝。新しく、清らかで、いくつもの聖なる一瞬が、連なってできるひと時。
わたしは、朝の澄んだ空気を、リセットされたばかりの空っぽの体いっぱいに吸いこみ、手や足の先、細胞のすみずみまでに行き渡らせる。
空はすっかり白んでいて、
その空にほぼ溶け込んでしまった、夜の名残とも言うべき薄っぺらい月は、どこか心許ない表情を浮かべながら再び訪れる夜を待つ。
『休みの日』というのはのどかだ。
平日の時間の流れよりも、少しゆっくりめに時を刻んでいるような気がする。
それに甘んじてその『流れ』にうっかり身を任せてしまうと、一瞬にしてその日が終了してしまっていたりするのも事実なんだけど。
いつも食べている朝ごはんを、いつもよりちょっぴり時間をかけて味わいながら、窓の外の景色が、先週の休みの日より少しずつ変化しているのを確かめる。
朝〜夜、そしてまた来る朝のような一日の変化、
当たり前のように移り変わってく季節の変化。
たとえ大自然を目の当たりにせずとも、
その何気ない小さな変化をひとつひとつ辿っていけば、
やがてそこには誰にも動かすことの出来ない、地球規模の神秘にぶちあたる。
その自然の猛威の前で、人間達のとる行動なんて、その大きな流れの付属品でしかない。