〜彩〜

◇Iam Chameleon Girl◇
   


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| 2014.09.20 Saturday | - | - |


北国のネコのこと

とにかく日々を、日まるごとそのものをひとつひとつこなすように過ごしていた。
むろん ポストの中になんて気を配ってる余裕は到底なく、ひさびさに開けると、
ビラや広告(女子高生の格好した女の人がスカートを太ももまでめくってるやつとか、
宅配ピザのチラシとか)がめいいっぱい。
ダイヤルを回している時の手ごたえからだいたい中の様子は伺えたけど、
開けたとたん、予想通り中身はどしゃっと足元に落ちた。

その中に紛れていた一枚。 ハガキ。猫の写真。

北国で、写真展をするとのしらせ。ネコから。

相変わらずだ。

いつも思うのだが、忘れたころにふわっとやってくるネコからの小さなアクションは、
毎度、ほんとうに現実味がない。
実際、彼女は毎日ふらふらしていて、現実(社会)に属していない様子。
ふらふらした猫のようにいつの間にか懐の中にいる・・・・・・といったふう。
ただ私は、生き物を「かわいいかわいい」とくしゃくしゃに可愛がるタチでもないので、
かなりの頻度でそれをほったらかす。
それでもめげもせず、彼女はまた、ふわっとやってくるのだ。気まぐれに。

「君に逢いたい」と書かれたそのハガキを見て、学生時代を思い出した。
数えるほどしかないけれど、何度か彼女の被写体になったっけ。
彼女が映し出すみずみずしくてキラキラした世界が恋しくなり、
気が付いたら、桃色病院に診察をお願いしていた。

彼女と触れ合っていると、自分が女の子だったことを思いだし、素直に嬉しくなる。
甘いもの、絵の具、絵画、アクセサリー、お洋服、ネイル、アイシャドウ、写真。
私たちは、色とりどりのものが大好きだった。
ネコは、現実離れした夢見る夢子。
現実に属す私から言わせると、その言動にはときどきあきれさせられることもある。
けれど、現実ばかりを見つめてしまいがちな私には、
いいエイヨウ、クスリになってたんだと思う。

「君に逢いたい」
そう書いてあった。私だって逢いたいよ・・・・・・。
逢っていろんな話して、ゆめゆめしい気分にひたりたい。
透明でたおやかなネコの世界にトリップしたい。

だけど、今までそうしてきたのと同じように、
きっとしばらく逢うこともないし連絡もきちんと取り合うことはないのだと思う。


冩眞日和 by momozo

| 2010.06.02 Wednesday | 戯言。 | comments(0) |